同情した同僚が正露丸くれました
実は、というほどのことでもありませんが、昨日は母が昼食用に作ってくれたおにぎりが腐っていまして、あんまり疑問を持たずに食べた私は、いつ腹が下るんだろうかと憂鬱な午後を過ごしておりました。今日になっても全然平気なので、ああ良かった。
五穀米かなんかの焼きおにぎりだったんですがね、焼きおにぎりにしては柔らかいなあとは思いました。そんでやたら粘々してました。しかしながら私は、母がまた水加減を間違えて炊いたのだろう、どうやら豆っぽいものが入っているからこの粘々は納豆だろうと想像して、美味しくないなあと思いながら食べました。納豆は好きではないのです。食べてから30分くらいしたら妹から「今日のご飯、さっき家でお弁当の残りを食べようと思ったら傷んでいたから気をつけて」というメールが来て、そうかあれは腐っていたからあの状態だったのねと納得そしてガッカリ。
10時の休憩で早弁した私がいけないのでしょうか。おにぎり以外に持ってきたものは無く、社食の注文締め切り時刻を過ぎていたので、当然昼飯は抜き、20時まで残業とかほんとにもう。妹は「またか」と呆れ気味でした。私の、傷んだお弁当食べちゃった事件は年に一度あるかないかの頻度で発生しております。
不味かったでしょ? ごめんね、と母に言われましたが、母には決して言うわけにはいきませんが、時折母が作ってしまう世にも不味い料理の数々に比べると、わりと普通な部類だったというのが私の正直な感想です。
今まで一番不味かった母の手料理は、カレーです。テレビの料理番組でやっていたのをうろ覚えで試してみたというそのカレーは、ワインを入れたものでした。少し前に開けてちょっと酸っぱくなっちゃった赤ワインを入れたのが最初の失敗で、それがかなり酷い味だったために誤魔化そうと牛乳を入れたら酸っぱくて苦くてミルク臭い変な味になったそうです。カレーとしては薄味になってしまったために醤油をさらに追加して整えてみたところ、ちっともさっぱり整わず、自分で味見するもの躊躇する味になってしまった、というのが母の説明でした。
あれはさすがに一皿食べられず半分近く残しましたが……あのカレーと比べたら腐ったおにぎりはよほどまともでしたので、また妙なものを作ったんだなとしか思いませんでした。砂糖と塩を間違えて味付けした油揚げ+普通のお酢ではなく間違えてバルサミコ酢かなんかで作った酢飯=お稲荷さん、も二度とはごめんだと思ったけど、休憩を挟みながら4つくらいは食べましたから、やっぱ最低ラインとして私が認識しているのはあのカレーです。
母の手料理では、ちょくちょく途方も無い失敗作や実に奇抜な創作料理が提供されるため、味や見た目がとんでもない状態でも安全性には問題が無いという全面的な信頼があり、不味くてもつい食べてしまいます。
親が子供のために作ったものですよ。疑う理由が無いじゃないですか。
それにしても糸をひくほど腐ったご飯って相当だよな。よく食ったもんだ。
というわけで、傷んでいるから不味いのか、しくじってるから不味いのか、という区別を食育ではちゃんと教えたほうが将来に渡り本人のためなんじゃないかと思います。
私、区別つかないので。
傷んだものを食べても腹を下したことが無いので実害は今のところありませんが。だからって今後が保証されているわけないし。
ところで、急に酷い味の料理が出てきたら痴呆を疑えという話がありますが、我が母の場合ここ30年ずっと妙な料理を作り続けているので、そういう指針が当てになりません。もし本当に母がボケてきた場合に、すぐには気付けないのかもしれないと思うと自分の食中毒よりももっとずっと不安です。