割引美人

妄想と事実を区別せず遠慮なく垂れ流し

おめでとう旭天鵬

2012.05.21 Monday[23:02] 相撲 - -

 昨日の、旭天鵬の優勝に、水戸泉の涙涙の優勝を重ねあわせてしまいました。優勝パレードの旗手は白鵬でしたね。すごい演出です。モンゴル力士の大先輩である旭天鵬に対する白鵬の敬意を感じます。
 思い出すと、土俵上で勝ち名乗りを受けているときから涙目の旭天鵬を思い出すと、ぐあああああああってなります。花道でボロボロ泣いていたのもまさに男泣きでした。なんだもう! もっと泣いて良いぞ! 表彰式の前、まげを結い直す床山さんも嬉しそうでぐっときました。
 大島親方の定年にあわせて引退、というのが敷かれていたレールだったと思います。それを、現役続行して、20年目の初優勝。霧島だって琴ノ若だって40までは関取でいられませんでした。琴ノ若は、やはり親方の定年にあわせての引退でしたし。でも旭天鵬は40歳まで目指すって。頑張って欲しいです。
 インタビュー可愛かったな。前日は眠れなくてちょっとお酒飲んだとか。笑ってた。泣きながら。

 私は基本的には、平幕優勝は取組編成のミスによるものだと考えています。下位で勝ちっぱなしがいたら通常当たらない上位に当てて星勘定を悪くする。それがセオリーです。これが追いつかないと平幕優勝が出てきてしまいます。もちろん、下位にいる力士が、元々強いんだけど怪我で休んでて下がっていた場合などは上位に勝つのも順当っぽいときもあるのですが、なんだかんだで番付順でたいがいは勝ち負けがつきます。
 横綱と幕尻の実力差は幕下上位5番と十両よりもずっとあるように私は感じます。
 今場所のように、横綱は一人でも大関が多いと、15日間のうち、横綱は大関と当たらないわけないですから6日分は取組が決定したようなもの。同部屋対決はしませんけど、今同じ部屋のひといませんから。同様に大関も大関同士で当たるし、関脇と小結とも必ず当たる。
 単純に計算して、横綱一人大関6人、関脇二人小結二人、同部屋がいないとすれば15日のうち10日は相手が決定です。小結はたいてい初日に横綱と当たるのがパターンだし、前頭3枚目くらいまでを外すのも不自然。そう考えると誰と当たるかな? と思える取組は無いのです、横綱と大関は。
 これだけ「必ず取組をしないといけない相手」がたくさんいる状態で、下位で勝ちっぱなしがいると当てようにも当てられない。そういうことになります。さらに千秋楽は琴欧洲が休場して栃煌山が不戦で優勝決定戦に出ることになったのは、14日目の取組と千秋楽の取組を同時に決めるシステムの問題点とも言えるでしょう。
 そういう諸々があると、琴富士や水戸泉みたいに平幕優勝が出て来るのです。水戸泉が優勝したときは、大関3人関脇2人小結4人でした。琴富士が優勝したときは……幕下優勝が古賀だった。後の魁皇です。うわあ、そうかそうだったのか。同期の若貴曙は三役だったのにな。
 相撲レファレンスは本当に便利。

 旭天鵬がすごくないわけじゃないです。一番すごいのは、休場が少ない力士だということ。出てりゃ良いってものでもないですが。とにかく休まない。幕内を上がったり下がったりしながら黙々と力強く。
 決定戦の一番、あれは押し込まれての引きではなく、呼び込むための引きで、危なく見えないこともないですが、あれはほんとに勇気ある引きだと思いました。あれだけ思いっきり引けば、栃煌山もついてはいけない。上体だけが前に出てしまい足が出ませんでした。
 全然、消極的な相撲ではないです。引き相撲なんて、と文句をつけたくなるような相撲ではなく、技ありの引き方です。
 目標の40歳まで元気に土俵に上がる姿を引き続き応援したいです。ベテランの技を見たい。霧島の出し投げより見事な出し投げを私はいまだに見たことないですが、旭天鵬の肩すかし、これも旭天鵬でないと出来ない感じのする肩すかしです。あとすくい投げか、あれも良い。
 でね、私は国技館に飾られる歴代優勝力士の額を今から楽しみにしているのです。私がイチオシの富士東は大きく負け越したので来場所は十両でしょう。頑張れ。

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